葬儀保険の受取人トラブルと回避策
葬儀保険は葬儀費用を賄うためのものですがその受取人を誰にするかによって思わぬ親族間トラブルや税務上の問題が発生することがあるため安易に決めるのではなく慎重な判断と家族間の共有が必要です。よくあるトラブルとして故人が長男を喪主にと考えて保険金の受取人を長男に指定していたものの実際には次男が喪主を務めることになり長男が受け取った保険金を葬儀費用に出さずに自分のものにしてしまったというケースがあり保険金は受取人固有の財産であるため法的には長男に渡す義務がなく次男が自腹で葬儀代を払う羽目になるという理不尽な事態が起こり得ます。このような事態を避けるためには「誰が喪主になるのか」を明確にした上でその人を保険金の受取人に指定することが大原則ですがもし状況が変わる可能性があるなら遺言書に「保険金は葬儀費用に充てること」と付言事項として書き残しておくなどの対策も有効です。また高齢になり判断能力が低下した場合に備えて「指定代理請求人」を事前に設定しておくことも重要であり被保険者本人が請求できない状態でも代理人がスムーズに請求できるようにしておかないとせっかくの保険金が塩漬けになってしまいます。さらに内縁の妻や事実婚のパートナーを受取人にしたい場合は保険会社によって規定が異なり同居期間の証明や戸籍謄本の提出など厳しい条件をクリアしなければならないこともあるため加入前に必ず確認が必要です。保険金は現金という形で見えるお金であるがゆえに人間の欲や感情が絡みやすく「葬儀代として残したつもり」が「争族の火種」にならないように家族会議を開いて「この保険金は葬儀のために使うものだ」という共通認識を持たせておくことが何よりのトラブル回避策となります。