出棺の直前に、参列者一人ひとりが棺の中に花を手向けて故人と最後のお別れをする「別れ花」の儀式において、祭壇に使われていた造花を入れることはできるのでしょうか、結論から言えば「原則としてNG」であり、火葬場の厳しいルールに従わなければなりません。火葬炉は非常に高温になりますが、造花に使われているポリエステルやワイヤー(針金)、プラスチックなどの素材は、燃焼時に有害なダイオキシンを発生させたり、高温で溶けて遺骨に付着して汚してしまったり、あるいは炉の設備を故障させたりする原因となるため、多くの自治体や火葬場で「副葬品としての造花禁止」が明記されています。そのため、祭壇を全て造花で作ってしまった場合、別れ花の時になって「入れる花がない」という事態に陥る可能性がありますので、葬儀社はその対策として、別れ花用として別途「生花のセット」を用意するか、祭壇の一部を生花にしてそこから摘み取る形をとるのが一般的です。しかし、最近では「燃やせる造花」や「紙で作られた花(ペーパーフラワー)」といった、火葬対応の特殊な造花も開発されており、これらであれば問題なく棺に入れることができますし、生花よりも安価でボリュームが出せるため、予算を抑えたい遺族にとっては救世主となります。また、棺の中に花を入れること自体にこだわらず、故人が好きだった洋服や手紙、折り鶴などで棺をいっぱいにすることで、花の代わりとするケースもあり、形式にとらわれない心のこもった見送りの仕方はいくらでもあります。いずれにせよ、造花祭壇を選ぶ際には、必ず「別れ花はどうするのか」という点を葬儀社と確認し、火葬場のルールを守りつつ、最後のお別れが寂しいものにならないように準備をしておくことが大切です。